「エル・スール(南へ)」。
父の振り子から始まる物語。街と家の境には国境。彼は北へ来たかったわけではない。あくまで、最後まで「異国の人」であったんじゃないかと思う。
本当はこの後、南の街のパートがあったらしい。観たかったような気もするし、ここで終わってよかったんじゃないかという気もする。
"憧れ"の父からだんだんと実像に近づいていくに連れて浮かび上がる彼の深い孤独。
もしかすると父はエストレリャが全てを理解してしまうことを恐れたのかもしれない。言い換えると理解されない自分で居続けたかったのかも。
寂しい最後の2人のランチに響く思い出の曲。敢えて隣の結婚式のダンスを彼女の視点ではなく、俯瞰のカメラで見せたのはなぜか。
エストレリャの左手には常にダビデの星の指輪。