ペイン

エル・スールのペインのレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
4.3
10年ぶりくらいの再鑑賞📀

プロデューサーに90分✂️され、
残り半分の90分になってしまったことや、
監督の長編作品で唯一の“原作ありき”といったこともあり、実は監督本人にとっても、我々観客にとってもどこか“余所行きな印象”を残す1本でもある気はする。それでも“一般的に優れた作品”の枠は優に超えてくるのだから流石は恐るべき作家、ビクトル・エリセと言わざるを得ない🇪🇸

父親も異性であり、一人の男性であるという、幼き少女にとっての通過儀礼。本当は「瞳をとじて」を観る前に観返しておくべきだったかもしれないが、心配要らなかった。改めて次作「マルメロの陽光」を経ての「瞳をとじて」という流れに深い感動が押し寄せる。

ある種の人ならざる者感というか、浮き世離れした作家であったエリセだが、最新作「瞳をとじて」での、悲痛なまでの“叫び”に、遂に“人間味”を感じることが出来た喜びは大きい。
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