海外在住spiritualママ

ペネロピの海外在住spiritualママのネタバレレビュー・内容・結末

ペネロピ(2006年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

映像美も去ることながら、ストーリーも素晴らしかった。
魔女が使用人に化けてまで、あの家に居座ったのは、自分の呪いによって、あの家族が苦しむ姿を見たかったというのも1つでしょうが、”人に恨みを持ち、仕返しする”というとこは、それなりのリスクを自分で負うということです。
リスクというのは、自分が憎むべき人間以外に起こる不幸、この映画ではペネロピ自身。あの魔女の老婆は、決して悪い人間じゃない。
そのリスクとして、自分のかけた呪いを最後まで見届ける義務がある。
人を怨むということは、体力のいることです。そしてその恨みは必ず自分に返ってくる。更にはまた新たな恨みを生むもの。
そんな魔女の一番の願いは、呪いを受けたあの家族が、呪いによって、過ちをを認め、受け入れ、改心すること。
そこがあの家族にとって、魔女にとって一番大事なことなのです。
魔女自身が、そしてあの家族が救われるために。
最後までそれが出来なかった母親をみれば顕著ですが…

現に、呪いを解くカギとなったのは、他人ではなく、自分自身だったというように。
始めは、ペネロピ自身、自分の中に流れる汚れた血を恨み、母親の言いなりになって、自分と向き合おうともしませんでした。
むしろそんな母親にすら反抗的。自分にただただ絶望している感じでした。
ですが、彼女にとっての初めて心から話せる他人、マックスに出会って、こんな私でも・・・と、自分自身に向きあうようになるのです。

罪を憎んで、人を怨まず。
あの魔女が賢明だっということです。人間というものの価値にかけた、信じた。

ペネロピに愛着がわくのは、彼女がまるで外見など気にせずに、ハツラツと生きているからだと思います。
また、欠点というのは、誰にでもあるもの。
無意識に自分自身とペネロピを重ねてしまうのはそんなに不思議なことじゃないと思う。
誰にだって欠点も含めて認めてもらいたいものだし、それをも気にならないぐらいでいてほしいですもんね?

そういう意味で、自己啓発になったとっても素敵な映画です!