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エリザベスタウンのbluetokyoのレビュー・感想・評価

エリザベスタウン(2005年製作の映画)
3.6
ストーリーといっても、とくになく、だが、つまらないということはない。だらだらと見続けてしまう。個人的にはこういうのは好きだな。主人公は有名なシューズメーカーのデザイナー、ドリューである。だが、失敗デザインでスニーカーを大量に生産してしまい、会社に大損害を与えてしまう。あげくに会社をクビにされる。これって、そのデザインにゴーサインを出した責任者が責任を取るべきであり、なんで、一介のデザイナーが、そこまで責任を負わされるのかわからんなあ。これは、ドリューが若くして、たんなるデザイナーではなく、それなりの権限のある立場を任されていた、ということかな。

自宅に帰ったドリューは自殺しようと考えるわけだ。おそらく、会社に大損害を与えたということよりも、自分が自信をもって世に送り出したデザインがまるで受け入れられなかった、ということの方が大きかったのではないかと思う。高い鼻をへし折られたどころか、地の底まで叩き潰されたという気分だったのだろう。
と、そこへ、電話である。なんだよー、こんなときにー、と携帯に出るドリュー。なんと、父親が、故郷のケンタッキー州エリザベスタウンに行っているときに、心臓発作を起こして急死したのである。遺体を引き取りに行って欲しいということだった。

さいあくだー、くっそー、と思いながらも重い腰を上げるドリュー。急いで飛行機に乗り込むのであった。夜行バスみたいに夜出発して朝着くみたい。

鬱な感じで寝ようとしたら、客室乗務員のクレアが、人懐っこく話し掛けてくる。
なんだ、この女は、まじ、うぜええ、と最初は思っていたドリューだが、彼女の天真爛漫な明るさで、痛めつけられささくれ立っていた心が、徐々に癒されていくのだった。

エリザベスタウンというのは、父親の故郷ということなのだが、とすると、日本風に言えば、いなか、ということになる。

ドリューが、エリザベスタウンに着くと、従兄弟や親類が温かく迎えるのであった。

母と妹も駆け付け、エリザベスタウンで、父親の告別式を行う。母のスピーチが感動的。なぜか、クレアもいる。

ということで、無事、告別式も終わり、ケンタッキーの自宅へ帰るということになる。そのとき、クレアは、お手製の旅のしおりを渡すのであった。道中、しおりの指示の通りに、音楽を聴いたり名所を訪ねたりする。

しおりの最後は、ファーマーズ・マーケット。赤い帽子を冠った女の子に話し掛けよ、となっている。もちろん、この女の子は、クレアなのである。
社会に敗れ去った男の妄想といえば、そうなんだろうけど。
ドリューが、クレアに、オレは、会社に10億ドルの損害を出させて、会社をクビになった男だぞ、と言うわけだ。
すると、クレアは、それがどうしたのよ! と言い返す。まあ、そう言ってくれると有難いね。
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