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八月の濡れた砂のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

八月の濡れた砂(1971年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストでの有名な主題歌も良いのだが。ちょっと不気味な男声スキャット。それによるオープニング。それによる何度も繰り返される物憂く気怠いテーマ。これら音楽は何処かピンクフロイドを思わせ素晴らしく。本作が内包する高校生ボーイズラブ映画としてのパゾリーニな暗黒面を際立たせている。ヒトケの絶えた夏休み中の高校のグランドに退学した悪友が訪ね来て。迎える主人公。待ち合わせて早めに来ていたのか。何故か陰気な木造旧校舎から出て来る。同じく新校舎から出て来る担任教師と女教師。職員室で不倫でもしていたのか。サッカーボールで割られる新校舎の窓。鮮烈なオープニングだ。姉妹だけの洋館が豪華だったり。途中で教会のオルガン弾きの女生徒が自殺したりするせいか。何故かポーの怪奇小説アッシャー家の崩壊を思い出した。不穏で退廃的な雰囲気が共通している。
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