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暗い日曜日のクリームのレビュー・感想・評価

暗い日曜日(1999年製作の映画)
4.0
2回目視聴なのですが、「暗い日曜日」と言うメロディーは、1回聴けば耳に残る不思議な曲。構成が素晴らしい作品で、心が最後の最後まで、揺さぶられ続けます。第二次世界大戦目前のハンガリーと言う事だけ頭に入れて、後は、ネタバレ無しで観た方が良い作品だと思います。

ハンガリー·ブタペストにある「レストラン·サボー」にドイツの実業家ハンス·ヴィークが80歳の誕生日を思い出のこのレストランで祝いたいと家族と共にやって来た。彼は「暗い日曜日」をリクエストし、その曲の演奏中、突然苦しみ始めそのまま息絶えるのだが…。



ネタバレ↓



1930年頃ハンスはこのレストランのイロナに夢中になり、通いつめた。店の経営者はユダヤ人ラズロ·サボー。給仕をするイロナは彼の恋人だった。ある日、ラズロは店のピアニストを募集し、アンドラーシュが選ばれた。イロナの誕生日にラズロは髪飾り、アンドラーシュは「暗い日曜日」という曲を贈った。ハンスは、イロナにプロポーズし断られ、ラズロは彼女とアンドラーシュの想いに気づいていて、ここから、ラズロとアンドラーシュはイロナを共有する。ハンスは失恋のショックで川へ飛び込み、ラズロに助けられ、翌日、ドイツへ帰った。
「暗い日曜日」は評判となり、レコードが発売になったが、聴いた人が次々と自殺するという現象が起こり、アンドラーシュは苦しんだ。
3年後、ナチスがやって来た。その幹部として現れたハンス。最初は友人ぶり、自分がいる限りラズロを守ると言ったが、ユダヤ人弾圧が激化すると掌を返す。店にやって来て横柄な態度で注文し、「暗い日曜日」をリクエストする。アンドラーシュが拒否し危険なムードをイロナが救ったが、彼はハンスの拳銃で自殺した。ついにラズロもドイツ兵に連行され、イロナはハンスに自分の身体と引き換えに救いを求める。しかし彼は、収容所行きの汽車に乗せられるラズロを見たのに見殺しにした。
時は経ち、イロナはラズロの遺言通り店を守り、あの時お腹にいたラズロとの息子が店を継いでいた。彼女は60年の時を経て、ハンスを密かに毒殺し、復讐を果たしたのだった。

二股で平気な顔をしているイロナの神経が解らないが、ラズロが良い人で彼が2人と一緒にいる事を望んでいたので、許せてしまった。にしてもハンスが80歳になるまで幸せに生きていたのは許せない。が、映画的展開はパーフェクトでした。

※「暗い日曜日」は1933年にハンガリーで発表された作詞:ヤーヴォル·ラースロー、作曲:シェレシュ·レジェーによる楽曲である。
世界中で数百人が亡くなったとあるが、自殺との因果関係は証明されていません。
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