ダンクシー

2001年宇宙の旅のダンクシーのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
3.2
すっげー難しい映画!正直言うと、映画としては退屈というか結構眠くなりました!!!
ただ映像の迫力とか終始凄かったな〜!!
セリフがほとんどなく、終始キューブリックの圧倒的な映像センスに魅せられる。やっぱキューブリックってシンメトリー好きなんだな〜。シンメトリーがめちゃくちゃ多かった。左右だけでなく全体のバランスをしっかり考えて作られてる印象。

この映画の凄いところはやはり、人類が初めて月に着陸する約1年以上も前に、映画で宇宙について描いていた事でしょう。2001年宇宙の旅の制作にあたって、キューブリックは原作者と共同で脚本を練り上げ、約40社に及ぶ企業・研究機関などから各科学分野に精通する有識者らを呼び寄せ、彼らから得た科学的考証に基づく整合性のとれた映像を作ろうとしたらしく、SF作品において、当時これ程まで徹底した考証が行われた事はとても画期的だったみたいですね。凄い!


内容は、最初はどんな感じで始まるのかとワクワクドキドキしていたが、何の説明もなく30分ほど原子である猿人の映像を見せられて、「え…?」って感じでした。が、この映画の最大のテーマは"進化"。キューブリックは人類の進化のメカニズムを分かりやすく可視化させることで、その起源を描こうとした。人類の始まりを象徴する存在こそが、あの謎の黒石板モノリスで、猿人達はこの不気味な黒石板モノリスに触れたことで、知恵を与えられ、突如として道具の使用を覚え、人間へと進化していった。神話で言うところの知恵の実みたいな感じかな?
そして生物界の頂点へと君臨し、ついに人類は地球を超え宇宙まで開拓を始める。

今でこそ人工知能は当たり前の存在ですが、キューブリックは既にこの時代から人工知能の存在を描いていた。本作では宇宙船の制御を司る人工知能HAL 9000が途中暴走してしまうシーンがあるが、とても恐ろしい。はるか宇宙を舞台に繰り広げられる人間とAIの命運を賭けた生存競争は劇中でも最もスリリング。この時代からAIの反乱を予言していたに等しい。皮肉にも、人類が創った人工知能が人類の進化を脅かす強大な敵になり得る。キューブリックはHAL 9000を通じて我々に警鐘を鳴らしたのだと思う。

モノリスが突如現れて眩い光と特殊な色彩のトリップ映像が流れた後のボーマンの目の前唐突に現れる謎の部屋だが、これこそが最も難しく理解できないシーンじゃないでしょうか。自分も頭の中に?のマークが浮かび上がった。
人類がAIとの戦いや長い旅を乗り越えて木星に着いた時に再び姿を現したモノリスは、人類を更なる進化へと導いたのでしょう。それを可視化したのが抽象的な映像の羅列であり、新たな進化の第1号となったボーマンの体験した世界。ホテルの一室みたいだったのは、人間のボーマンが居心地良く過ごせるためにモノリスなりの優しさで配慮していたのではないでしょうか。落ち着かせる的な。最後の赤ちゃんはボーマンを過去の姿に戻すことで次の段階の新たな生命に進化させられたってことかな??いや、ムズすぎるわ!分かるかー!!意味不明の極みみたいな映画ですよホント。

何度も観ないと深みに気づけないのでしょうが、正直ちょっと観る気が起きないです笑
原作の方も気が向いたら読んでみたいと思います!!
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