ikoan

2001年宇宙の旅のikoanのネタバレレビュー・内容・結末

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

地獄の黙示録と並んで何度観てもどう捉えていいのか分からない作品。共通するのは何度も観たくなる点。
この映画は3つのパートから成り4回モノリスが現れます。
一つ目のパートは、ヒョウに怯え、他の群と水場を争いながらも平和に暮らしていた猿人が、モノリスの啓示を受け、道具を手にし、破壊と、殺戮と歓喜を覚え、誇らしげに投げ上げた骨が宇宙船に重なる、数百万年の時間をたったこれだけで表現する、全く見事なパート。
数百万年後、人類は漸く月に辿り着きますが、まだまだ猿人の様なものなのでしょうか、2つ目のモノリスで2度目の啓示を受けます。その間、必要最小限の会話と映像で、秘密と嘘、重力についてが布石の様に語られます。
2つ目のパートはモノリスに示された何かを求め、木星に向かうミッション、人工知能についての話になります。完璧なはずのHALは、人間に与えられた秘密と嘘に悩み?ミスを犯します。乗組員と対立したHALは結局敗れ、ボーマン船長に殺害されます。チップを一枚ずつ抜かれていくシーン、ハンニバルで生きたまま脳の一部を切り取られ、次第に意識が薄れ、昔の記憶が現れるあのシーンと全く同じ、残酷です。HALの断末魔、「ボーマン船長私は怖い」と言う台詞が心に残ります。人間が作り出した意識ある物、しかしこれも人間に壊されてしまいます。生命に肉薄してはいるが、生命ではないということでしょうか?
そして、3つ目のパート、生命を作り出しつつある人間に、モノリスが三たび啓示を与えます。
3回目のモノリスが現れポッドは光の帯に巻き込まれ、次元を超えて行き着く先はロココ調の部屋。ここで4つ目のモノリスが登場し最後は胎児。
うーん、やはり生命を語っているのでしょうか?
そう言えば、ディスカバリー号の形状が暗示的…、先端からボッドが出て、光の帯を通過、ロココの子宮で育まれ、胎児の誕生。
キューブリックっぽいと言えば言えるかもしれません…。
スミマセン下ネタに…。
初見以来30年以上、何度観ても分かりません。
あと何回見ればモノリスの謎が解けるのでしょうか?
まだまだ猿人の様な私でした。
ikoan

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