つっきー

式日-SHIKI-JITSU-のつっきーのレビュー・感想・評価

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)
4.4
「わたしが欲しかったときはくれなかったくせに、いまになって寂しいっていうの」
「そうなの。そうなの。」

現実に戻るとき、空気が澄んだような気がする。
庵野秀明の作品の凄みだ。
中盤の悪夢のような表現から、痛みを伴いながら現実に還る。
ある意味、撮り手の苦悩は解決されていない。
けれど一生、こういう風に作品を作っていくことでしか解消されないのかもしれない。

CocciのRainingがエンディングなんだ…。


花魁みたいな衣装

瓶の酒を飲むのに、少し恥ずかしくなって横を向いて飲む。

あしたはきみの誕生日だ
彼女の真実によりそい、繰り返す

天蓋が開く
聖なる天蓋

本当は実写もやりたかったんだ
いまから監督って呼ぶね

はいまわった 撮ってるよ なんかしゃべってよ

ねえこの服似合ってる、映画にちゃんとあってる?
似合ってるんじゃない。
そういうの疎いんだよ
かわいいの。

虚構に逃げ込みたい彼女を撮ることで現実に引き摺り出す暴力性
カメラの暴力

寝るのが怖い
きょうをつないでいく

セックスって好き?
わたしはきらい
だってそんなことしたらただの男と女になっちゃう
だから嫌い
だいっきらい

また女からだ!

いいじゃん、1日一回誰かから電話あるだけで。

傘の代わりにカメラを持つ彼女

まじわらないけどふたつでひとつの線路

地下の水の部屋
絵が怖い アニメではできない怖さ

こんな状態の彼女を切り取る勇気がわたしにはなかった
現実がのしかかってきた

彼女の心の中には、いなかった。

猫がいなくなったことにホッとしている自分に気づいた。


お母さんが中にいた わたしおかあさんになったんだ

悪夢みたいな映像
これを撮る人間の苦しみはいかほどだろう。

誰かを撮るってのは暴力的だ。
監督なに考えてんの?

誰かに手を差し伸べたら、その手を離すのも暴力だ。

6時すぎてる
眠っていた彼女

監督の音だ。

寝るのが怖くなくなったの

アスカラングレーだ

歯の抜かれた人間みたいにトラックがタイヤ抜かれてる

監督撮らさして 作品になんなくなっちゃうじゃん
なに怒ってんの?

飽きてきた。刹那 退屈してきた
波状な退屈 過剰な摂取
うっとおしくなってきた。

きらわれた?きらわれた?
置いてきぼりにされちゃう

録音の電話に言い返す
コミュニケーションがこわい

彼女がいれば映画を撮る必要がなかったからだ
つっきー

つっきー