広島カップ

その土曜日、7時58分の広島カップのレビュー・感想・評価

その土曜日、7時58分(2007年製作の映画)
3.5
お金欲しさに自分の両親が経営する宝石店に強盗に入ることを計画したのは経営者の二人の息子(兄:フィリップ・シーモア・ホフマン、弟:イーサン・ホーク)。
しかしその計画に思わぬアクシデントが起きてしまい、事態は予期せぬ方向に進んで行くのだった。

質屋のシーンは出て来るし、二人の間抜けな泥棒の話なのでどうしてもシドニー・ルメットの過去作を彷彿とさせる監督の遺作。
『質屋』(1964)や『狼たちの午後』(1975)、そして代表作『十二人の怒れる男』(1957)などから社会派という冠を被せられるルメットですが本作にはそうしたテイストは感じられず、横道のサスペンスに終始して終わりました。
社会派ドラマの中に人間を必ず描くルメットですが、どちらかと言うと過去作も社会問題そのものというより、問題に向き合う人間のあり方を描く方に重きを置いていたのだなと、本作を観ていて改めて感じました。
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