戦争映画を観ることが多いと、映画館の戦場シーンの中には何かしらのドラマがあるとアホな私は条件反射で思い込んでしまっている事に気付く。
本作にはそうした"作られた"要素は当然ながら全く無い。プーチンによる残虐な戦争犯罪が赤裸々に記録されているドキュメンタリー。
2022年2月23日からの20日間、ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリに攻めてきたロシア軍による民間人の無差別虐殺の様子が映されている。
撮ったのはAP通信の記者。
大型の団地にミサイルや戦車の砲弾が打ち込まれる。
瀕死の子供や妊婦が病院に担ぎ込まれ懸命な治療の甲斐もなく亡くなっていく。
家やライフラインを奪われてどうする事も出来ず恐怖に怯え暗い地下室に集まる住民達。
地面に掘られた穴に無造作に投げ入れられていく死体の数々。
ロシア側はフェイクニュースと繰り返すだろうが、どうかこうした戦争の真実を写した作品が世界に拡がって欲しい。
一人でも多くの人々の目に届いて欲しい。
何も知らされていないロシアの国民にこそ届いて欲しい。
そして一刻も早く鬼畜独裁者プーチンが起こしたこの愚かな戦争犯罪が終わる事を願う。
