塩湖

孤独な声の塩湖のレビュー・感想・評価

孤独な声(1978年製作の映画)
4.0
声のない顔、あるいは顔自体が声としてあるのか。ロケーションもだけど映画そのものがなんだか廃墟っぽい佇まいをしている。厳粛なムード漂う整列の写真を映しながら、そのなかにいる一人だけ頬杖ついて表情筋を弛めた少年の顔にズームするところでゾワゾワした。時間をはるかに超越しつつそれは確かに語りかけてきている。コマを落とすことで連続する静止画として立ち現れてきてしまう映像(労働とかダンスとか)は、同時期のゴダール『勝手に逃げろ/人生』と共振してる感じがあり、とにかくパワフル。デッカい耳鳴りみたいな音楽もいちいち凄まじい。あからさまに『鏡』っぽい緑の風景があったけど、さいご、ちゃんとタルコフスキーに捧げられていてホッコリ。
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