戦後十数年が舞台なのに、電線やらマンションやら現代の風景が平気でうつりこむ。どうやら意図的にやってる。何食わぬ顔で自然にうつりこんでくる妖怪たち。この夫婦の周りには、どこか浮世離れした時間が流れてるっぽい。
水の音か風の音か、何かよくわからないノイズがずっとどこかで鳴ってる。実は何かがそこにいる感じ。すごく計算された音づくり。
劇中よく出てくる掛け時計。時計の音を鳴らしたり鳴らさなかったり。この世界特有の時間の流れを意識させる。吹石一恵が淡々とこの時計をケアして映画が終わる。
水木タッチの気持ち悪いアニメーションが楽しかった。