ふかふかでほかほかしたもの

俺たちに明日はないのふかふかでほかほかしたもののレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
2.7
やっすいチンピラ達の無軌道珍道中としか...

この映画の映画史における重要性や価値は分かるが、単体の映画として見た時に何らかの示唆や気づきなどの豊かな体験があるかと言われると...
愚か者が身を持ち崩していく様を冷徹にとらえた作品ならば、それは所謂自然主義的なものとして理解できるし、反対に理不尽な世界や環境に抗おうと犯罪に手を染める者を描いた作品ならばそれはアウトロー的な、あるいは社会批判的なものとして理解できる。

しかし本作は特に困窮してるわけでもないが無計画に銀行強盗を繰り返すクライド御一行が、湿っぽい雰囲気のシーンを度々挟みながら、最終的に破滅するまでを描いた作品で、しかも妙に彼らの肩を持とうとするような目線のようなものを感じるので何が描きたいのかブレているようでモヤる。
というか単純に、クライド御一行の誰一人として少しも好きになれないのにそんな連中の道程を2時間も濃密に見せられるのが少しも楽しくなかった。