世界恐慌時代の実在の銀行強盗であるボニーとクライドの姿を映画化した作品。
出会ってから時間もたたないうちに意気投合し共に行動する。互いに心のどこかで求めていた存在同士だったのだろう。片割れと出会ったのだ。
悪びれもなく犯罪を犯していく姿とは裏腹に、感情的になる面や繊細な心の描写もあり、人間味が強く表現されていた。最初は不気味だったクライドの姿が次第に魅力的に見えてくる。
テンポがよく、警察に見つかったらすぐ銃撃戦の末カーチェイスへ。このカーチェイスがなかなか迫力がある。当時の車でこんなところをこんなスピード出して大丈夫?と心配になった。
仲間になるC・W・モスが最初は何でこんなやつを連れてくんだと思ったけど、途中からいい味出していて良かった。ボニーとクライド以外も結構良いキャラしてる。
一生逃げながら自由を追い求める選択は考えるととても辛いものだが、選択肢としてはそちらの方が魅力があったのだろう。
空き家での農夫との出会い、労働者や貧困層の姿など、時代情勢をさりげなく感じさせる演出は見事。2人が出会い共に行動する理由に説得力がでる。そういう時代だったのだ。ボニーとクライドが時代の象徴としてしっかりと表現されていた。
自由には責任が付き纏う。呆気なく散る姿も哀愁があったし、その後ろに映る黒人の労働者も皮肉たっぷりで良かった。
ウォーレン・ベイティかっこいいな。