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麻雀放浪記のShoMのレビュー・感想・評価

麻雀放浪記(1984年製作の映画)
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イラストレーター和田誠の初監督作品。和田誠の映画愛が強く伝わる。

モノクロの映像が敗戦直後の空気を醸し出させ、FOやワイプを多用した場面転換も50年代の往年の名画のよう。と思ったらクライマックスでは回転カメラで雀士たちを捉え、麻雀卓を舐めるように切り取る。成田亨の特撮による焼け跡も言われなければミニチュアとは思わない。

坊や哲(真田広之)が主人公なんだが、後半の主人公はドサ健(鹿賀丈史)。ただこの交替はシームレスで、青天井でドサ健が負けてから彼と情婦のまゆみが主体になる。

そもそも「負けてからドラマが始まる」とでも言うのか、哲の物語が有機的に動き出すのもオックスで外国人相手に負けてから。
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