ジャンヌ・バリバールという女性の魅力を考えるとき、いまの日本とフランスの女性が手にしている自由の性質の違いを考えることになる。日本のマスコミでは愛される対象としての女性かそれ以前の子供アイドル集団しかもてはやされず、出産後は子育てに従事する生き物であることを求められる。逆に言えば子育てさえしていれば働くことも趣味に夢中になることも許されるというレベル。フランスは違う。結婚も離婚も子育てもしたうえで男性から大人の女性としての魅力を発揮することを求められる。なにを優先するかは本人の自由意思。
ジャンヌはこの映画を撮ることになったのもじぶんが唄う歌の選曲もすべて監督の意志と説明するけれど、とてもプライベートに見えるこの作品の根底にあるのは仲間との信頼関係。映像を介した大人の男女の遊び方。そういうことを文化として享受できるお国柄が眩しい。
まとめると、日本にもジャンヌバリバールのような大人の魅力を操れるタイプの女優が現れてほしいと思う。一番近いのはYOUかな？
