千年女優

修羅雪姫の千年女優のレビュー・感想・評価

修羅雪姫(1973年製作の映画)
3.5
維新後の明治七年。獄中で看守を次々誘惑して身籠った鹿島小夜から生まれた女児で、自身の使命が母の夫を亡き者にした極悪非道の一味への復讐であると告げられた雪。剣豪である道海和尚の下での厳しい修行を経て「修羅雪」を名乗る彼女が、変わりゆく時代の中でアヘン密売で財を成す塚本儀四郎ら仇敵を狙う様を描いた時代劇映画です。

原作を小池一夫、作画を上村一夫が担った『週間プレイボーイ』に連載の同名漫画を東宝が藤田敏八の監督で映画化した1973年公開の作品で、シリーズ化されて第二作が作られた後は知る人ぞ知る作品として歴史に埋もれていましたが、後にタランティーノが『キル・ビル』を撮る際に参考にしたと公言したことで再び世界的に評価されました。

時代劇でも漫画原作らしく娯楽性を求める作風で、当時を感じさせる特撮アクションがエネルギッシュに作用します。全体としてはB級でチープなところもありますが、多くの女優を引き立てた監督の手腕が冴え、白地にビビッドな赤や青の印象的なコントラストが女と任侠のギャップを映えさせつつ梶芽衣子の魅力を最大化している一作です。
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