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プレデターのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

プレデター(1987年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

今見るとアーノルド・シュワルツェネッガーがすごい筋肉だとよくわかる。丸太の裏にぶら下がるシーンでは苦しそうな素振りも見せない。それだけで彼がすごい筋肉の持ち主だと思わせる。

実際すごい。重たそうな車を持ち上げ敵の陣地に突っ込ませるシーンなんて、敵の真後ろでやっているにも関わらず、1ミリも気づかれない。甲賀忍者も真っ青な隠密っぷりだ。

改めて見てみると、プレデターの視界は、いくらなんでも悪すぎるように思う。ヘルメットにはサーモグラフィー機能があるとして、通常の視界は紫外線なのか日光なのか、視野全体が真っ赤に染まり、ほとんど見えない状態だ。

こうして考えると、プレデターの文明はそんな絶望的な視界であっても、光学迷彩的な機能を全身に身に纏うことのできる装置や辺り一面を破壊する自爆機能などを開発できる科学力だとわかる。

それはつまり眼に頼ることなく開発できるということであり、いくつかの可能性を思わせる。例えば、彼らの他に彼らの装置を開発した存在がいるとか、頭脳が人間を大幅に超えて発展しているとか、休憩することなく働き続けられるとか、人類には未知の物質による技術などだ。

結果的には「既知の原子に存在しない物質」で武器や装置が作られていると「プレデター2」でわかるのだが、なるほど確かに人類より視界が悪いのに人類より遥かに発達した生物である理由は分かる。つまり、人類が知り得ない未知の物質が彼らを高度な文明へと誘ったというわけだ。

そう考えると夢がある。
宇宙船だの大量破壊兵器だの人類が開発したものでは、環境的に宇宙人に勝てないだけで、それらを使いこなすことさえ出来れば、人類もまた宇宙人レベルの技術を使いこなすことができるのだ。

今や科学力も技術も一種の飽和状態にある。
「これ以上ない」と言えないこともない。だが、ほんの少し、未知の物質を発見するだけで、人類はプレデターになることができるかもしれないのだ。

プレデターは視線の先を赤い三角形で覆ってフォーカスする技術でその物体が何か判断する機能を有している。たぶん、ヘルメットの性能だが、彼らの技術は今では考えられないほどアナログだ。0,1秒以内に判断できるわけではない。数秒かけてフォーカスしている。これもまた人類がプレデターに勝つことのできる可能性を物語っている。身体能力や技術力の割にフォーカスまでの時間がかかる。これは彼らの潜在的な弱点だ。

物語はプレデターの真上から百キロは超えそうな丸太を落として血だらけで息も絶え絶えのプレデターが自爆して終える。
そもそもプレデターが舐めプせず、ちっちゃと殺してしまえばすぐにでも終わったと思うが、その慢心も彼らの弱点だ。

そう考えると、確かにエイリアンよりも弱点多めで、完璧な存在とは言い難い。
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