半兵衛

一年の九日の半兵衛のレビュー・感想・評価

一年の九日(1961年製作の映画)
3.0
ソ連もといロシア映画って文学的な要素が強いけれど、この作品もそんな感じになっている。

一年の中の九日の出来事を通して原子力研究所に勤務する男二人と一人の女の関係の変遷を描くという実験的なことをやっているのに、科学とは国家とは人間とはを真面目に追求しているので映画というより難解な文章を読んでいる感覚になってくる。そのため後半になると見ごたえはあるが見るのが疲れてきてしんどくなる羽目に。どことなくノリといい生真面目な文学チックな作風といい日本のATG映画に近いかも。高尚な作風で批評家受けしやすいところも。

研究所の独創的でアーティスティックな美術、ハリウッドともヨーロッパとも違うカメラワークがソ連流芸術映画の雰囲気を盛り上げる。
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