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落下する夕方の堊のレビュー・感想・評価

落下する夕方(1998年製作の映画)
3.6
これのどこが百合なんだと思っていたが、主人公の家に転がり込んできた菅野美穂によって突如百合になる。ほとんどエヴァのアスカの実写版のような(というかどこか宮村優子を思わせもする)菅野美穂から出る90年代をまとった覇王色の覇気の前に今見るとミランダ・ジュライを思わせなくもない本作の江國香織的リリシズムも霞む。性愛を巡る会話があまりにも今見ると…感はあるが菅野美穂と原田知世がベランダから手を振るカットだけでも充分にお釣りが来る。15秒だけ出てくる浅野忠信のフェイントも嬉しい。

ブノワ・ジャコー『シングルガール』のポスターが飾ってある部屋を飛び出した原田知世がルドワイヤンと同じカットで部屋を飛び出し階段を降りていく。この監督が撮った大島渚ドキュメンタリー『1999 大島渚 映画と生きる』がマジで見たいってずっと言ってる。
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