佐藤でした

A.I.の佐藤でしたのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
3.5
不治の病にかかった少年の代わりに夫婦に与えられた子供型ロボットに、実験的に愛をプログラムする試みが初めて行われた。少年は夫婦の愛情に包まれ生活を送るのだったが…。

やけにスケルトンな乗り物に、謎に無機質な研究施設、物々しい内装と、繁華街には溢れんばかりのネオンサイン。
2001年製の映画とは思えないレトロフューチャーを感じるが、80年代にキューブリックが製作するはずだった経緯を思うとなるほど合点がいく。

みんながこぞってSF映画を作った70年代。(それに拍車をかけたのは68年のキューブリック自身だが) その時代に“想像したこと”や“願い” みたいなものが、00年代のクオリティで丁寧に現像されている。そんなの素敵。

キューブリックのスターゲートを彷彿とさせたと思ったら、スピルバーグの宇宙人が横からにょっと出てくるなんて。やっぱり素敵。

ただ、ストーリーが残念。ずいぶん人間たちが自分勝手に描かれていて、それは不快なほどだけど、そもそもロボットに感情移入できる方がすごいではないか。
AI搭載のロボットがいくら可愛い顔で笑っても泣いても「プログラムの一環」としか思えない。

それに物語の基にしている「ピノキオ」が偉大過ぎて(原作よりディズニー派)、その足元にも遠く及ばず。やはり木製品は長持ちですね。
佐藤でした

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