Kuuta

旅立ちの時のKuutaのレビュー・感想・評価

旅立ちの時(1988年製作の映画)
3.8
ストーリーをリバーフェニックスの生い立ちに重ねてしまう…。実際に恋人同士だったというマーサ・プリンストンとのやりとりが実に瑞々しい。実生活と俳優業が密接にリンクしていたリバーフェニックスらしい彼の代表作。

原題Running on emptyは両親への皮肉でもあり、新たな旅立ちを指しているとも取れる。シビアな設定の中でもテンポ良く描かれるストレートな家族愛。ピアノのメインテーマも良いし、ジェームステイラーの「Fire and Rain」に乗せて踊る場面も素晴らしい。自然と家族が3人と2人に別れる所でその後の展開を暗示している(銀の冠が急な来客で足りなかったせいか、自分の分を彼女に貸してあげている)。

両親の死に目に会えなかった父と、会いに行った母。音を出すことが許されなかったピアノの先生。子供から大人へ、その変化の過程で親もまた変わらないといけない。ラスト、旅立ちは唐突で、不安はあろうとも自分の足で歩こうとする。77点。
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