このレビューはネタバレを含みます
すごく不幸な男の物語。脱獄の展開からジム・ジャームッシュの『ダウン・バイ・ロウ』を想起させる。
父親から車を譲り受けた男。その後父親は自殺し、南に向かって全財産を持って男は旅立つ。
全財産をチンピラに取られて、一文なしになって、たまたま、仕事が与えられたのに、違法で雇い主が捕まる。そこから、金を奪ったやつをボコリ、それによって自分も捕まってしまう。どんどん不幸が重なっていくが、ある女性と出会い、その女性によって脱獄する。また、同じ刑務所の部屋でマッティー・ペロンパーが出て来るが出て来るたびに嬉しくなってアキ監督作品見てるとこの人が大好きになるなと思った。
最後、主人公は生きていくために本当に犯罪を犯して、船でメキシコへと旅立つ。しかし、逃げ続ける人生の暗雲立ち込める感じとそれと対極な美しい朝を迎える映像が印象的。
この作品の主人公も、自分がどんな不幸な状況でもそれを人のせいにせず自分でなんとかするのがすごいなと思った。