このレビューはネタバレを含みます
1946年6月に公開された作品だそうで、終戦から1年と経たない時期なだけにロケシーンでは空襲で倒壊したと思しき瓦礫の山だらけの街並みを観ることができる。古い邦画にありがちな音質の悪さでセリフが非常に聞き取りにくいのが残念。オープニングの配役のクレジットで伊沢一郎が二役を演じることが明記されているのはほぼネタバレではないかという気がする。犯人が予告状を寄こした上で時間になっても現れず、安心していると実はもう盗まれているという「怪人二十面相」でおなじみのパターンが出てくるのが面白い。結果的に誰も人が死なないで事件が解決するのはやはり製作時期が関係しているのかなと思った。見明凡太朗演じる野辺地の顔がどことなく柳葉敏郎に似ている気がしておかしかった。