作家を目指す青年と、深い愛情で結ばれたカップルとの奇妙な絆を描いたヒューマンドラマ。
ソフィーとネイサンがかかえるそれぞれの秘密、そしてその秘密が故の結末には心が震える。
鑑賞者は主人公スティンゴと一緒に、彼らの人生に加わり、秘密を知っていく。
特にソフィーの強制収容所での経験には戦慄する。
父親との関係、ナチスの迫害による家族との離別、所長宅での仕事、そして解放後の絶望。
特に娘との離別のシーンには胸が痛む。
ソフィーが秘書仕事をする所長宅は『関心領域』を想起させる。
ソフィーの辿ってきた人生とそれに伴う罪悪感や葛藤。
それらが複雑に、かつストレートに彼女の言動から伝わってくる。
ソフィーはああいった結末になることを予期した上で、あの"選択"をしたのだろう。
メリル•ストリープの演技は圧巻の素晴らしさ。
現代と収容所時代のソフィーを見事に演じ切っている。
彼女のキャリアの中でもトップに好き。