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いとはん物語のncccoのレビュー・感想・評価

いとはん物語(1957年製作の映画)
3.3
す、すごい。醜女メイクだとわかっていても、どこをどう探してみてもいつもの京マチ子の面影がまるでない。下からお嘉津を映す悪意のあるファーストカットはインパクトすごすぎてトラウマになるレベル。

お嘉津のおきゃんな立ち振る舞いや初心な表情、母親に甘えて見せたり嬉しくてはしゃいでみたり、その振る舞いのすべてがいじらしくて可愛らしい。この時マチ子さん33歳!いつもの色気ぷんぷんで粋な姐さん風の雰囲気を完全に封印した町娘演技に京マチ子の女優魂を観た。

回想の中だけ美人なのがなんとも切ない。観客にとってはいつもの美しいマチ子さんを拝めるのはここだけ、ちょっとホッとするシーンでもある。
ラストにかけての哀しい展開には納得しつつも思わず涙ぐんでしまう。こんな余韻を残す、観客を泣かせるエンディングがあるんだと圧倒された。
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