いい映画だ。劇的な展開があるわけでもないが、まったく退屈にならない。1960年代以降の作品と何が違うのだろう…。白黒とカラーの違いなのか?役者の違いなのか?演出の違いか?
「カチューシャの唄」「丘を越えて」1955年当時もうすでに懐かしのメロディとなっていたのかぁ。
津島恵子のストリップ?と言うよりも流麗なダンスに惹きこまれ見惚れてしまった。これが藝術というものではないだろうか…そう思った。
ヤクザ、労働者、学生、新聞記者、芸術家、種々雑多な人々が集まるこの大衆酒場で、このシーンは異彩を放っていた。
「僕、君の裸にスポット当てるのが辛いんだ」
「…さっき私の裸にスポットを当てるのが辛い…って云ってくれたわね。嬉しいわ、ケンちゃんのその気持ち。だけど、私はそれ以上に辛いの。傷だらけの、泥にまみれた汚い私が、ケンちゃんのスポットに当てられてすっかりさらけ出されるような気がして…」