たそがれ酒場の作品情報・感想・評価

「たそがれ酒場」に投稿された感想・評価

taxx

taxxの感想・評価

3.3
酒場を舞台にした様々な人々の群像劇。想像に反してかなり広い食堂のような酒場で喧騒に溢れている。とにかく人多過ぎで話も詰め込まれている。流石に古い作品なので音声の悪さや時代性で全て理解は出来なかったかと思うが、馴染みない世界を覗けた気がする。丹波哲郎、宇津井健の若さ。
酒場の席の間を縫うようにしてカメラが移動し、様々な人間を映す群像劇。ワンシチュエーション。
nagashing

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4.5
入り組んだ立体構造のセットに人の出入りが錯綜。レイヤー感全開の空間をカメラが流れ、悲喜こもごもの人間模様に次々とフォーカスを当てる。ストリップという口実を得て要請されたスポットライトは煙草の紫煙をスモークとして空間全体をステージへと仕上げ、閉店後の消灯は人生の黄昏の様相を呈する。限定された時空間のなかで進行する脚本は映画向きとは言いがたいが、美術、撮影、照明の総合力でそれをカバー。流転するそれぞれのドラマにやさしく寄り添う小杉勇の居ずまいが沁みる。控えめに可愛さを主張する犬にもホッコリ。
メッシ

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4.1
戦後の大衆居酒屋兼ショーパブ的な酒場に集まる開店から閉店までの、市井の人々の悲喜こもごもの一日。
俺的に内田吐夢監督、会心の一撃!こんなにすばらしい酒場映画ったらない!登場人物は無数、尺は90分、セリフも多い。だけどまるで駆け足ではなく、一言一言身にしみる言葉の数々。しかも、丹波哲郎、宇津井健、加東大介、東野英治郎が端役って‼︎見事なスターの活かし方、さばき方。これは戦後の酒場を見て、体感した内田監督の観察眼が生み出したからこそ、響く傑作。ただ、戦後だけにあらず、令和の酒場を彷徨う我々にも絶対にガツンと来るはず。是非是非、お酒と共に濃密な90分を体感していただきたい。
ssjm

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5.0
混沌の昭和。恐らく今までの人生で自分が観た日本映画の中で最も美しい映画。ひとつの大衆酒場の内部の、それも一夜の出来事のみを描くという特殊な設定にも関わらず、貧困とか暴力とか青春といったものを様々な角度から表現している。平成生まれの自分には戦後すぐの日本はある種ファンタジーだったけど、この時代から地続きで今があることを実感した。基本ずっと人情話なんだけど、それが良い。エミー・ローザが踊り、梅田が自分の絵筆は血で汚れてしまったんだと語る場面では、泣いてしまった。
何度観たことか。改めてスクリーンで再鑑賞。やっぱり素晴らしい。内田吐夢監督の大傑作だ。「カルメンの闘牛士の歌」の歌唱シーン、そしてエミ・ローザのダンスシーンの美しさ。映画に魔法がかかる瞬間だ。
舞台は徹頭徹尾酒場のみ。群像劇なので主役はいないけど、絵描きの先生が狂言回しとして、絶妙な立ち回り。55年当時のノスタルジーではない戦後の生々しさが、酒場という人間の生々しさが交差する場で炙り出しに。
この時代はこんな感じだったのか〜と資料映像を観てるようだった。(笑)
今でこそ見尽くしてるカメラアングルや演出も55年の映画で…と考えるとえげつないな
<大衆酒場を舞台に戦後混乱期の喧騒を描いた人情劇>

作られたのが戦後10年、戦後の混乱、価値観の多様化、戦争の傷跡を引きずる者も貧困もある。
それらいくつものドラマが重なり合って酒場で繰り広げられる内田吐夢異色の人情劇。
舞台は大衆酒場のみで、その開店から閉店まで、そこに集う人々の群像劇となると演劇的シチュエーションだが、居酒屋のセットが舞台のスケールを大きく超えていて、中二階にはステージ、その横には控えの小部屋、飲食フロアにも踊れるくらいの大きなスペースがあって賑わいを更に盛り立てる。
そのセットの各所で、様々な人々のそれぞれのエピソードが描かれ、その変化の度にカメラアングルの移動とかクローズアップとか、映画的な細かな工夫がなされているので、やはり映画ならではの映像になっている。
群像劇でありながら話がバラバラに拡散しないのは、中心に「先生」と呼ばれる梅田(小杉勇)の存在があって、その求心力に依るものという気がする。最後はすべて落ち着くべきところに落ち着いて、夢のようなひとときに幕が下りる。
混乱しそうな群像劇を同時進行で描き分けた脚本(灘千造)の力も評価したい。
※映画のあらすじは『偏愛的映画案内』をご覧ください。https://henaieiga.net
ikumi

ikumiの感想・評価

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これといったエピソードはないとある酒場の1日。
戦後の日本は追いつけ追い越せのイメージ戦略もあって歴史をみても人々のリアルが見えづらい時代だけど、この作品は戦争が人に残した傷のかさぶたみたいなものが垣間見れてとてもよかった。人って元来とてもゆらゆらした存在なのかもしれない
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