僕はこの映画のような人間になりたいです。
派手でもなく、優しく、温かく、いつまでも人の心に残り続ける、砂漠のオアシスのような存在…
この作品を観たのも随分前のこと。
最初に観た時の衝撃は強く、その後DVDを購入し、数年間隔で何度も見直しています。
正直この作品の冒頭は、決して印象のいいものではありません。何度観ても"?"マークが点滅するような導入です。それは主人公のジャスミンも同じで、見た目や表情からして取っ付き易い印象とはとても言いがたいです。
特別なことは何もしない、ただ側でたたずむだけ、ただそれだけで人は笑顔になれます。ですからジャスミンも輝いて行きます。それはまるで魔法のように、冒頭では考えられないくらい、誰もがジャスミンに引き寄せられていくのです。
見た目や最初の印象が、たとえ受け入れられにくくても、人の本質は表面だけでは知り得ません。人と人が結び付く化学反応の行く末となれば尚更です。
人と人との出会いは本当に不思議なもので、ある日突然、無作為に点と点が重なり、一本の線で結ばれます。
きっとそれは数奇な偶然。だけど次第にそれが必然のように思えてきます。
僕の名前を呼んでください。
僕もアナタの名前を呼び続けるから。
I am calling you, Can't you hear me
I am calling you
アナタを呼んでる。
まだ届かない。
ずっとアナタを呼び続けてる。
最初は期待していなかったのに、
笑顔を見せ合う毎に膨らむ欲求。
もう少し側に居たいけど、
僕は何をすればいいんだろう?
特別なことは何もしなくてもいい。
ただ素直な気持ちで寄り添うだけで…
自分の心のあり方一つで、
人生は輝き、未来だって変えれる。
そんなこと、人と出会う奇跡と比べたら、
きっと造作もない、簡単なこと。
地味で淡々と進む物語の中で、そんな温かいメッセージを届けてくれる素敵な映画でした。
ジャスミンの最後の言葉と主題歌の「calling you」がいつまでも印象に残る、とても素晴らしい作品です。