keecoliquorice

青色革命のkeecoliquoriceのネタバレレビュー・内容・結末

青色革命(1953年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

始まるや、速いテンポで交わされる会話のリズムと言葉の面白さ!まぁ楽しい!

黛敏郎の音楽は、弦楽器で優雅、ときに軽やか、洋画の音楽みたい。コメディタッチな昭和映画によく鳴ってる、マリンバでテレテレン♫みたいなのではなく。

大学での仕事をなくし、失業中の歴史学者、その妻、ああいえばこう言う口の達者な息子ふたり(大学生と高校生、なんかとってもいいコンビ)、

休みの日ごとにご飯食べにくる、映画雑誌編集してる親戚の女性、オネエ言葉だけどこの女性にお熱な下宿人(三國蓮太郎がマツゲぱしぱしでくねっとしてておもしろチャーミング!こんな三國連太郎初めて見た!)、

学者先生の悩みごと(仕事とちょっとしたトキメキ)や、親戚の女性の結婚にやきもきする妻、彼らを取り巻くいろんな人たちが、ひっきりなしにいろいろやらかしてきて、間合いの取り方とかほんと最高で、何度も何度も声出して笑った。シアター内もどっかんウケてて楽しかった。

ついぞ進む方向を誤りそうになった学者先生が、問題児だと呆れ叱ってばかりいた息子が未来への純粋な思いを口にするのを、たまたま聞いてしまい、はっとするとこはじんわり良かったなぁ。

あと、路面電車が走ってるころの渋谷駅前が俯瞰で見られてとても興味深かった。三千里薬局は今も変わらず同じ場所にあるから、交差点ですぐに分かった。

これは石川達三の原作を猪俣勝人が脚色した、市川崑監督作品ですが、

同じく1950年代の市川崑監督『満員電車』っていう作品が私は凄く好きです。大学を出て就職したもののビール工場の事務職で単調な毎日を過ごす男の話なんだけど、ブラックでシニカル、

映像的には、大雨の中の卒業式、校庭にズラーっと並ぶ黒い傘、という始まりからスタイリッシュで、身体を張ったドタバタありのスクリューボールコメディ。

市川崑特集上映でいろいろ観たなかで、速攻DVD買ったw

『青色革命』は日本映画専門チャンネルで放送されたかなぁ、録画したかしら。これも欲しいです。
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