《イメージフォーラム・フェスティバル2015》で見て、前のサイトでは、他の作品も含め、映画祭全体の感想としてアップしました。
ここでは単体の作品ページしかなく、本作のメモ的感想のみ、載せておきます。
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前作『スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド』が好評だったのか、同作の監督が、またジジェクをかつぎ出した。
今回は映画そのものではなく、映画でイデオロギーがどう描かれてきたかを作品事例で検証する。とはいえ、『ゼイリブ』から始まる楽しきガイド。捻じれてるけど。ジジェクは前作同様、鬱陶しいけどお茶目です。
映画と同じセットに入り込み、登場人物代わりに唾飛ばして喋りまくり。ついていけなくなる辺りから倒錯的、の意味を改めて実感する。
でもまさか、オマケ映像に出て来てあんなことやるなんて、サービス心あるよね。出たがりとも言うけれど。
イデオロギーというお題に絞った分、前作よりわかり易くなった部分もありますが、結末は映画から現実へフィードバックさせようとして、曖昧に終わった感じ。これは哲学の限界でもあると思った。
シンプルに面白い点も多々。『タイタニック』を感動作などと見ず、帝国主義の現代的言い換え、と断じる辺りなんてキモチいい。
一度の体験では勿体ないので、前作同様ソフト化してほしいです。
<2015.5.14記>