青二歳

殺人切符はハート色の青二歳のレビュー・感想・評価

殺人切符はハート色(1990年製作の映画)
3.6
タイトルのセンスからさすが80年代('81-'90として含む)。素晴らしい。いやー妙に楽しい。どのくらい楽しいかというと原作を読みたくなりました。“星子ひとり旅シリーズ”というらしい。
ジャケからも伝わると思いますが、この80年代ならではのダサい感じ。これが絶妙であります。

どうもラノベ原作のアニメって御都合主義がデフォルトのようなんですよね。それがえらい笑えます。
原作はゆるい逆ハーレムものになるらしいが、今作は第1作相当部分で、ヒロインが本命の男の子に出会うところまで。またこの男の子との出会いから絡みまで無茶苦茶ですごい。
やたらめったら頼りになる男の子と偶然に出会いひとり旅の道連れになり、なぜか殺人事件に巻き込まれ、女の子側にファインプレーは一切ないのに、ラブコメフラグが雨後の筍のように立ちまくり、その青年は意外と甲斐性がありそうで(高校生にしか見えないが実は優秀な警察官僚)優しくしてくれて、ヒロインの無謀なひとり旅をサポートし、実は親同士が決めた婚約者なのだが、そうとは知らずヒロインはツンツン…

いつの時代の少女漫画なんだというラブコメ展開です。ミステリーパートでもこれでもかとフラグを立てまくり、なんとも不自然極まりないのが笑える。もうミステリーはおざなり。

そもそも冒頭から頭にハテナマークが浮かんだことは…停学中に高校生がひとり旅で長崎旅行ってどういう事?…という疑問。
どうも原作ラノベの"星子ひとり旅シリーズ"というのが、高校生のくせにヒロインが夏休みや停学中にやたらめったら旅行をして、その旅先で殺人事件に毎度出くわすという話らしいんです。で、ヒロイン自ら旅の目的は"オトコ"と言って憚らないからこれまたすごい話。素敵な出逢いを求めて休みのたびに旅行して回ってるとの事。
高校生が…出会いを求めてひとり旅。改めて考えるととんでもない話ですね。

またこの御都合主義のラブコメ&ミステリーの台詞回しが全編にわたって80年代的ダサさで、聞いてて気恥ずかしいのなんのって。ここまで来るとちょっとクセになってきちゃったじゃないですか。
やはり女子をターゲットにしたトンチキアニメの破壊力は素晴らしいものがあります。この手合いはもっと発掘したいものです(。・ω・。)
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