なお

マッドマックス/サンダードームのなおのレビュー・感想・評価

3.0
前作の大ヒットを受け制作された「マッドマックス」シリーズ第3作。

ソウル・ミュージックの大御所ティナ・ターナーを物語の重要な鍵を握る人物として起用するなど、ハリウッド映画界と大きくコミットメントした作品。

✏️既視感
う~~~ん…
なんだか、前作の出来の良さがどこに行ってしまったんだろう?と疑いたくなるほど、クオリティがガタ落ちしてしまった感。

前半はかなり良かった。
前作より退廃的、「世紀末感」を増した世界観の中で、ひとり生き延び続ける髪ボーボーのマックスの姿。
もうここらへんから、メル・ギブソンの「触れたらヤケドするぜ」的危険なオトコのニオイがプンプンするようになってきてますね。
知らんけど。

ある目的のために、タイトルにもある「サンダードーム」つまり見世物の闘技場での闘いに身を投じるマックス。
ここでのアクロバティックな戦闘シーンはとても良かった。

最終的に、一見無頼漢でいて、でもトドメはさせない…!とあえぐマックスの姿は、かつて父親としての優しさを持っていたころの彼を彷彿とさせてちょっぴり寂しくもあった。

その後マックスは闘いに敗れ砂漠に放り出されるワケだけど、この中盤~終盤にかけてのシーンが若干、いやかなり冗長。

核戦争により文明が滅びたとはいえ、そんな原始人みたいな生活を営むまで人間の生活レベルは落ちてしまうものなのだろうか…?
マックスと彼ら「最後の部族」との交流は、まるで「インディ・ジョーンズ」シリーズ作品を見ているかのよう。
このあたりのシーンが非常に間が悪く、眠くて仕方がなかった。

終盤、バータータウンを奪還するための戦いも若干コメディ的というか、カートゥーン的に「子どもが大人をやっつける」みたいなシーンが多く、マッドマックスのハードボイルドな世界観とはミスマッチな描写が続く。

「車と車が並走して戦闘を繰り広げる」というアクションは、次作『怒りのデス・ロード』にも受け継がれる、マッドマックスの象徴的なシーンではあるのだが…

あと、映画冒頭でマックスを襲った飛行機に乗っていた人物。
アレ前作のジャイロ・キャプテン(ブルース・スペンス)かと思いきや全くの別人なんですね…

なんで前作で、紆余曲折あったとはいえ仲間だったアイツがマックスを裏切ったんだ⁉️と思ったら別人だったんかい。
同じ役者にやらせるなよ。

☑️まとめ
1作目では低予算ながら独特の世界観で人気を博し、2作目では増大した制作費でその世界観をパワーアップしたマッドマックス。
さあ3作目は…!と期待をしていたが、その期待を上回ることは叶わなかった。
個人的にはやっぱりテンポの悪さが致命的かな。

79年、81年、85年と3作が製作されたマッドマックスシリーズは本作で一区切り。
次作『怒りのデス・ロード』まで実に27年もの時を要することとなる。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★☆☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★☆☆☆

🎬2024年鑑賞数:40(20)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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