ベンアミ

≒(ニアイコール)草間彌生 わたし大好きのベンアミのレビュー・感想・評価

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草間彌生の『天国への梯子』を初めて見た時にその無限へ続く感覚が好きになった。今では良くある仕掛けの一つになりつつある気もするが、草間彌生が鏡を使って連続性を表した作品が好き。

他者を好ましいと思う大きな要素の一つに優しい人、親切な人、社交的な人であることがあり、自分自身も他者に対して親切な瞬間を増やしたいと願っているが、この映画の中の草間彌生のことを謂わゆる親切な人だとは思わなかった。自分に対して率直で自己のあらゆる表現をなるべく自分が知覚したそのものと近づけたい正直さと常に自己の内面を点検しているような感じ。
他者に親切であることだけが人の魅力ではないことを改めて実感する。それでいて、親切じゃなくても生きていけることが救いになる。

そしてやっぱり作品を目にすると、この人がどういう人かということは一旦忘れ去られて作品そのものが自分に考えを与えてくれているような気持ちになる。自然物を作る職人みたいな人だと思った。
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