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早春のbennoのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.1
イエジー・スコリモフスキ監督作品初鑑賞…。

OPクレジット…流れ落ちる赤いペンキに自転車の赤いフレーム…象徴的な赤…胸騒ぎの予感…。


15歳の少年マイク(ジョン・モルダー=ブラウン)は学校を辞め、ロンドンの公衆浴場に就職…。

公衆浴場とは…観た感じ、プール付きSPA(!?)…。

マイクは先輩従業員のスーザン(ジェーン・アッシャー)に指導を受けながら…憧憬の想いを募らせます…。

しかしスーザンは婚約者がいる上に、他の男性とも付き合っているという不良ミューズ….マイクを弄びます…。

一途なマイクは彼女に付き纏います…所謂ストーカー…当時はまだ犯罪ではない為かなり堂々と強引でウザい…。

彼女を待ち侘びて、ホットドッグをいくつも食べるシーン…スーザンによく似たストリップクラブの『アンジェラ嬢の全身パネル』を盗むシーン…脚にギプスをした娼婦とのやり取りを経て…パネルを抱えたまま地下鉄に乗るシークエンスは絶妙…カメラワークも面白い…。

そして象徴的なのは…マイクがプールに何度も落ちるシーン…そこで見るスーザンの幻影…リアルな男女関係が未経験のマイクにとって、恋をした感情はまるで仄暗い水の奥底(Deep End [原題])で踠いている心境なのでしょう…。

そして盗んだパネルを水中で抱き寄せるシーンは狂おしい思春期の性の疼き…。


また色彩がとても印象的な作品…建物のブルーやグリーンの壁…スーザンの黄色のビニールコートや目を引くオレンジの髪…ミニワンピに白いロングブーツ…。

音楽はキャット・スティーブンスと…好き好きドイツのCAN ♬ Mother Sky…めちゃカッコいいです…ෆ*

届かない….叶わない…マイクの想いに終止符が…その時スーザンは…??

ラストも効果的な色の演出が見事です…。


thanks to; leylaさ〰︎ん ♪ .•*¨*•.¸¸♬✧
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