夏、女、海そしてロメール。これで悪いはずがなく、『冬物語』も悪くはなかったが、若干ドライブ感を欠いているように感じられたのは気のせいではなかった。やはりこの人の作品には海とかプールが出てこないとね。
この作品に限ったことではないが、以前のロメール映画で出てきた場面の使い回しの様なカットが1つや2つではないのだが、それで全く嫌な感じはしない。『海辺のポーリーヌ』や『緑の光線』と何が違うの?と問われると返答に窮するところではあるが…
たわいのない日常を切り取ったというにはあまりに凝りすぎな脚本+長回し、自然光を効果的に使った撮影、捻った構成は完熟の域に達しているが、一方で話は瑞々しく、こんなストーリーを70半ばで撮れてしまうロメールは最近のゴダールとはちょっと違った意味で異常だったんだなぁ、と。