アマゾンプライムにて視聴。凄すぎるわこの映画。どこまでが狙いなのか偶然なのかは分からないけどとりあえず普通じゃない。よくあるマッドサイエンティストが出てくるホラーねみたいな軽い感じで楽しめない。おそらく監督がこの博士に共感しすぎている。
博士の「とにかくムカデ人間を作りたい」という欲求とこの監督の「とにかくムカデ人間の映画を作りたい」という欲求が共鳴しすぎていて映画ならこういう展開が必要だろみたいなセオリーを無視しすぎている。それだと普通ダメになるんだけどこの映画にとってはプラスに働いている(ように私は思った)。
そのセオリー無視加減が普通の映画じゃ無いなこれという困惑と理解不能のものを観ているという恐怖につながっている。こんな状態で終わりを迎える映画とかあんま観たことない。とにかくムカデ人間が完成したところでそこにいる人全員が泣いてるシーンで一番「何だよこの映画」と思ったな。
画期的なのは日本人である必然性がないのに日本人が起用されているということでそれが逆に日本人的キャラクターとしての役割という枠に押し込まれることなく自由な演技につながっていたと思う。
好きかどうかで言うと好きではない。しかし容易には忘れられない映画として心に刻まれた。