Maoryu002

肉体の冠のMaoryu002のレビュー・感想・評価

肉体の冠(1951年製作の映画)
4.2
娼婦マリー(シモーヌ・シニョレ)は大工マンダ(セルジュ・レジアニ)と恋に落ちるが、嫉妬に狂った彼女の恋人が決闘の末にマンダに殺される。マリーとマンダはパリを離れて穏やかに過ごすが、悪党の親分ルカ(クロード・ドーファン)の企みでマンダの親友レイモン(レイモン・ビュシェール)が身代わりに逮捕されてしまう。

「現金に手を出すな」「穴」とハードな犯罪劇が得意なジャック・ベッケル監督による犯罪活劇の傑作。

マリーや悪党たちの生きる世界の猥雑さに続いて、決闘の緊張感、逃避行でのロマンスに、親分ルカの冷徹で巧妙な罠と、すべてがバランスよく飽きさせない作りだ。
さらに後半のマンダとレイモンの友情にはグッとくるし、ラスト15分はベッケル作品らしく盛り上げてくれる。

画像は粗いし、活劇と言うにはスピード感はないけど、かなり楽しめた。

そして、いつも娼婦役のシモーヌ・シミョレ。
ブリジット・バルドーとはまた違った意味でのセックスシンボルとして、最初から最後まで存在感を見せる。
特にこの作品では貫禄が凄くて、まわりの男たちがみんな役柄以上に小物に見える。

マンダと朝のコーヒーを飲む笑顔や、他人の結婚式を見つめる瞳がたまらなく可愛らしい!
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