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双子座の女の一のレビュー・感想・評価

双子座の女(1984年製作の映画)
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おもしろい~!山城新伍の『恐怖のメロディ』だ。きっちりスリラーもやりつつ、前作に引き続きやたらとしつこいせんだみつおに、終盤のいいところで登場するたこ八郎に、内輪ネタで話に水を差してみせる余裕ぶり。1回ヤッただけで運命感じちゃって南条弘二をストーカーする五十嵐夕紀。散々「星座が~運命が~」と追い回してたのに、ラストで「ハンサムで金持ちだから好き」と元も子もないセコ発言して南条の恋人宅を放火しちゃう真っ直ぐさがイイですね。邪魔な女に「あなた何座?」と尋ね、指に乗せた白インコをけしかけるキモ面白シーン最高。五十嵐を追って下着屋に入ってきた南条弘二に絡むオカマのアップからゲートボールやってる老人への突飛なカッティングもスゴかった。無くても話は成立する中尾彬と五十嵐のサイドストーリーも「どこまでついてくるの」「火葬場まで」「どこまでいくんだ」「火葬場まででしょ」と会話が巡る地下鉄のシーンなんか趣があってよかったし、山田辰夫出てるのもうれしいし、山城監督作品としてはこれが最上なのではという予感がする(2本しか観てないけど)。
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