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ファニーとアレクサンデルのあのレビュー・感想・評価

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)
4.0
番組改編期の特番並に長くて流石に笑ってしまいました。いや、それにしてもいい映画はクソ長くてもスッと見れるのは不思議ですね、旅芸人の日記然りクーリンチェ然り。

どうやらベルイマン自身の幼少期は後半に近かったようで、前半はそこまで実感のこもった感じがせず眠くなってしまいましたが、父親が死んだあたりで尻上がり的に話が面白くなるので安心して待てます。特に、死者が当たり前のようにでてきますが何かするわけでもない一方で、取り残された側はそれを見ながらただ生きることしかできない感じが、一言では言い表せない複雑さを持っていてよかったです。

また、生を肯定する描き方ではありましたが、基本的に誰を責めるわけでもなく、どの人物にも平等に脆さを持たせているところが、黒澤明や宮崎駿のようなうるささがなくよかったです。そこがベルイマンの優しさなのかもしれないですね。
あ