ドント

マチネー/土曜の午後はキッスで始まるのドントのレビュー・感想・評価

3.8
93年。泣けた。「グレムリン」のジョー・ダンテが送る、映画と自身の少年期への愛をめいっぱいに詰め込んだ素晴らしいエンタメムービー。題名は「昼間の興行」の意。
1962年のあるおっかない出来事を背景に、アメリカの小さな町に住む少年たち、そこにやって来たホラー専門の山師な監督が巻き起こす大騒動。社会情勢と思春期と映画への敬意がひとつになってドタバタしつつ甘酸っぱくて温かい青春映画になっている上にちゃんとハラハラさせてホッコリさせるのだから並ではない。作中映画の特撮の出来があまりによすぎて「もっと雑でもよかったのでは」と謎の不満が生まれてしまうのが難か(そんな無茶な)。
実はこのヘンテコな監督にはモデルがいて、名前はウィリアム・キャッスル。本編とソックリなことを実際にしでかしています。その監督役のジョン・グッドマンのハッタリの効いた語りが映画への夢に溢れていていちいち泣ける。最後の台詞も最高だ。本当にいい作品ですよ。
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