Kuuta

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説のKuutaのレビュー・感想・評価

3.7
・火の棒で突いたら正気に戻るのは何故だろうと昔から疑問だったが、サンカラストーンがラストで自然発火することから、神は太陽=火なのだと思った。対照的に邪神は地底のマグマの中に眠っており、地でも天でもない橋の上で両者の引っ張り合いが決着することも腹落ちした。

・人工物の回転で死ぬ。天井のファンで首が絞まる男、巨大ハンドルに腹を挟まれる首相、ローラーでぺちゃんこになる巨漢。ラストに水車の前で抱き合う親子のショットを入れて、死から生にイメージを反転させている。

・冒頭で弟子が1人死に、その後にショーティが出てくる。ショーティをインディが失わないかどうか、父が息子を失うor息子が父を失う恐怖が通底している。英国とインドの関係を軸とした「親子」が描かれ、親が子を洗脳する邪教、児童労働させる大人が敵となる。インディとショーティがそれぞれ帽子を被り、アクションを連動させるのと対照的に、敵の親玉は王子を洗脳し、王子は人形を一方的に痛めつける。

・斜に構えた男が本当に追い込まれた時、秘めた良心や欲望を垣間見せる。インディの自由意志は、口角を上げるニヤッとした表情に現れる。そんな彼が洗脳され、「笑わされる」場面の絶望感。ショーティに感情移入していた子供の頃の私は、自分の父親が正気を失うような怖さを感じていた。

・インディの倫理観とスーパーマン化問題。インディの原点は学者としての欲望にあるはずだが、今作では児童労働への怒りという要素が入り込んでくる。「正しさ」に突き動かされる後半のインディはほぼ無敵。連動するショーティも、最後の方は木の棒で大人3人を同時に吹っ飛ばしたりしている。ショーティに感情移入している身からすると、いやそれは無理だろと冷めてしまうし、もう少しインディに情けなさや人間味があった、レイダースの方が好み。

・スッカスカな話を活劇とゲテモノ演出で引っ張るが、地下入ってからトロッコまでの間にいつも中弛みを感じる。

・ウィリーが村で手に取った料理に蝿がつく。演出なのか

・インディが村の頼みを受け入れ、宮殿に行こうと決意する時、背景の夜空に流れ星が流れる。彼の野心は宇宙からやってきた?
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