Bm

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのBmのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

3.11やそれに類する大事故・大災害に思い入れがなくても、身近な人を亡くしたことがある人には必ずなにか響くものがある。
「8分間」を引き伸ばすために傍目には無意味な行動をしたことがある人は少なくないはず。序盤からずっと泣きながら鑑賞。

主人公オスカーの独特な言動やカメラワークからおそらくアスペルガーであることが序盤から示され、彼の成長がストーリーの軸。
彼に出会うブラックさんたちが事情を知って優しく迎えたり逆に追い返したりするのは、だれもが大切な誰かを喪っていて、だからこそオスカーの助けになりたかったり遠ざけたかったりするんだろう。
母親がネタバレしてしまうのはオスカーの立つ瀬がないようにも感じたが、「母さんは僕のこと本当に愛してるの?」とヒステリックに怒鳴っていたオスカーが「僕はあんまり母さんに愛してるって言ってなかったね」と母の愛情を理解できたようなので、結果的には良かったのかと思う。
ラストはどのカットも秀逸。間借り人とおばあちゃんの無言のやりとり。オスカーは以前は無理だと諦めていたブランコを不器用ながらも揺らし始めて最後には大きく漕げるようになる。

映像も音響も緻密で効果的に作られていて、2時間まったく退屈しなかった。
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