主人公のオスカーはアスペルガー症候群持ちで人の気持ちを察することができず自己主張の強い子だけど、その自分の心の内を全てさらけ出すオスカーの心理描写がひたすら苦しくて、切なくて、つらかった。
父親を失った喪失感に苛まれて周りが見えなくなったオスカーが鍵穴探しに没頭する中で、人との出会いや関わりを通して成長する様はとても感動的。
自分本位で考えることしかできなかったオスカーが初めて周りへの感謝の心、人を救う喜びに気づく描写に涙が溢れて止まらなかった。
オスカーの話を一心に聞いて理解してあげるおじいさんの優しさ、オスカーの行動を温かい目で見守りつつ手助けもする母親の愛情はオスカーにとってかけがえのないもの。
過去に囚われて嘆くばかりの人生から、今この瞬間、自分を包み込んでくれる"愛"の存在を大切にする人生へ一歩踏み出す勇気…。
そんなものをこの作品のメッセージとして感じた。
