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アクアマンのmomoのレビュー・感想・評価

アクアマン(2018年製作の映画)
5.0
こ、これは…とんでもない映画が生まれてしまった…。 (゜ロ゜;

ハリウッドがもの凄い量の時間・お金・技術・努力を費やして歴代で一番本気を出して作ったんじゃないかレベルのクオリティ。
全てが完璧すぎて非の打ち所がないとはまさにこのこと!!

「そう、これ!!こういうのが見たかった!」と言いたくなるシーンの連続に興奮と高揚が収まらない。
アクション、ファンタジー、アドベンチャー、ミステリー、ラブロマンス、ヒューマンドラマ…。あらゆる要素があり得ないほどてんこ盛りだけど、起承転結がはっきりした秀逸な脚本のおかげで不思議なくらいすっきりまとまってる。
未だかつてこんなにお腹いっぱいになれる映画があっただろうか…。
もう凄いとしか言いようがない。

中でも一番驚異的だったのは映像。
予告に映ってるのはほんの一部で本編はその100倍の美しさとスケール。
ワカンダも度肝を抜かれたけどアトランティスはその比じゃなかった。
未知の生物と海底人、地上より発達した技術でつくられた光輝く世界…。
IMAX3Dで観て心底よかったと思えるような驚異的な美しさで、本当にハリウッドの最先端VFXに圧倒されまくりだった。

次にアクション。
これはもうスタントもカメラワークも量も完全に歴代のアメコミ映画史上トップ。
一つ一つのアクションシーンの凝り方が半端じゃないのにそのクオリティを全編維持して且つ「こんなに要る?!」ってくらい戦闘、格闘シーン過多だからもう凄いとかいうレベルじゃない。
スタントコーディネーターの技量と努力が身にしみて伝わってきた。
パンフレットによるとメラとアトランナのスタントダブルを担当した女性がワンダーウーマン、ワスプ、キャプテンマーベルも担当していて、アクアマンのスタントダブルはマイティソー3でソーを担当…とのこと。
MCUとDCで同じ人を起用してるのもびっくりだけどやっぱりアメコミ映画のスタントチームは次元が違うことを再確認。

特にお気に入りのアクションシーンはシチリア島でのアクアマン&メラvsブラックマンタたちの追跡劇。
屋根の上を逃げるメラ、家の壁を突破しながら追いかける敵、アクアマンとブラックマンタの格闘…。色んな視点とカメラワークで別々のバトルを撮ってる上にその切り替え方も絶妙だから本当に天才的。
一切テンボが崩れたり、片方に偏ったりすることがない。
さすがあのワイスピ7を撮ったジェームズ・ワン監督なだけある。

終盤の海中バトルに関しては全生物、全海底人が集結してこれでもかってくらいごった返してるのに、アクション映画でありがちな "何が起こってるのか分からない瞬間" が一秒もなくて本当に魅せ方が上手いと思った。
どの生物をどこに配置して、どのバトルをどのアングルから映すか…。
あのシーンの構成を考えるのは本当に至難の業だし相当な時間を要すると思うけど、それを完璧に成し遂げた監督の努力を讃えたい!!

そしてラストのアクアマンvsオームの最終決戦もめちゃくちゃ良かった。
海中じゃなくて海上に舞台を設定する時点で「うわ天才…」ってなったけどその後の2人の立ち回りとカメラワークのかっこよさといったら…。あぁ…ワン監督にいくらお礼をしてもしきれない(;_;)
全体的にスピード感×スローモーションのバランスが神がかってて永遠に見ていたいと思わせるアクションだった。

そしてキャスティングも文句なし。
ジェイソン・モモアは一見筋肉隆々のワイルドガイかと思いきや笑顔がふにゃっとしていて可愛いし、アーサーみたいな破天荒で茶目っ気たっぷりのキャラがすごく似合う。
アンバー・ハードは名前だけ知ってる程度だったけど本当に美人でびっくり。赤毛がめちゃくちゃ似合っててジェイソンモモアと最高に相性が良い。2人の掛け合いが面白くて好き。

でも一番圧倒的な存在感を放ってたのはやっぱりニコール・キッドマン。あの訴えかけるような表情には誰も敵わない。
何もセリフを言わなくてもニコールの表情だけで涙腺が崩壊するシーンが何ヵ所かあってこれが本物の名女優か…と。
ワン監督がアトランナ役に初めからニコールをイメージしてた理由がよく分かる。

ウィレム・デフォーはフロリダプロジェクトでイメージがガラッと変わったからそんなに役どころに驚かなかったけど、サムライが好きだから自分で提案したというあの髪型にはちょっと吹いてしまった(笑)
あとアクアマン×オームがどうしてもソー×ロキに重なる…。ブラックパンサーもそうだけど身内、兄弟の王座争いはアメコミ映画の定番といっても過言じゃなさそう。

ストーリーに関してはとても分かりやすくて良かったし、この壮大で壮絶なアクションファンタジーに複雑な話を絡ませたら間違いなくややこしくなるから、これで正解だと思う。
ワン監督の凄いところは斬新でダイナミックなアクションに力を入れつつ、観客が共感できる人間ドラマも忘れないところ。
特にトム・カリーとアトランナの物語が本当に感動的で心が揺さぶられた。
根底にあるのが家族愛っていうベースがしっかりしてることでストーリーに深みが増すことを監督はちゃんと分かってる。

DCはワンダーウーマンが最高かと思ったけどそれを軽々越えてきたこのクオリティには本当に言葉が出ない。
MCUですらこのレベルの映像とアクションには追いついてないし、もしかしたらアメコミ映画の大革命と言っても過言じゃないかも。
エンドロールにずらりと並ぶVisual Effectチームのとてつもない多さが全てを物語ってる。
この映画に注ぎ込まれたアイデア、想像力、情熱が本編を通してひしひしと伝わってきて、心から映画を愛してる人たちの手によって彩られ、形作られたんだなと思うと本当に感無量。

パトリック・ウィルソンがインタビューで
「ジェームズは良いアイデアを思い付くと「一体今何時なんだよ」って驚くような時間にでも送ってくる。彼は僕らが子供の頃に持っていたようなイマジネーションをいまだに羽ばたかせているんだ。アクアマンのキャラクターは「彼を本当にカッコよくしたいんだ」と言った一人の天才から生まれたものなんだよ」
って言ってたけど、こういう監督こそ今の映画界に欠かせない存在なのかもしれない。
童心にかえって想像力を働かせ、ただ "カッコよくしたい!" の一心でアイデアを次々に出していく天才。
ジェームズ・ワン監督、凄すぎる。

子供から大人まで誰もが前のめりで観てしまうくらい爽快でパワフルな、最高のアクションエンターテイメント!!!
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