セリフとテロップの応酬。
常人が処理できるはずのない量とスピード。何回見ても全体像がつかめない。
ときおり役者がカメラ目線で話しはじめ、むりやり画面に引き戻そうとしてくるんだけど、序盤の「この雨痛いな!」の時点ですでに放心状態なんで、もはや攻撃でしかない。
終盤なんか、勝手に死者のおもいを代弁したり、モデルとなったじいさんばあさん本人を登場させて芝居させたり、やりたい放題。フィクションの枠組みすら完全に破壊しちゃって、しまいには監督自身のナレーションでしめるっていう。大林的特権がのさばってる無法地帯。傲慢な映画。
安い合成むき出しの映像。デジタルになって自由度が増したのか、いつになく大林節の映像遊びが炸裂してて、見たことないタイプの映像に仕上がってる。
ラストのいちばん盛り上がるとこで「大団円」ってテロップ。初めて見た。