仁

渚のシンドバッドの仁のネタバレレビュー・内容・結末

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

僕は10代の頃恋愛というのを全然経験してこなかった。好きとか嫌いとか気持ち悪いとかそういう生の感情を他者にぶつけたこともぶつけられたことも無く10代を終えた。で、それがずっと空洞として自分の中に残り続けている。空洞。

この空洞は普段意識することはないけれども、今日『渚のシンドバッド』を観て久々に意識した。主人公たちは言葉をストレートに、ど真ん中に平気で投げ込んでいく。そして発火した人間関係にもがく。自分自身にももがく。この苦しい行為が僕はとてつもなく羨ましい。これこそが僕の空洞だから。こんなんもう今は出来ない、自分も周りも社会性をある程度獲得してしまったから。他者のことを考慮せず自分の気持ちだけをバンバンぶつけるのは10代の特権だと思うんです。

結局コンプレックスなんすよ。でもこの映画はコンプレックスを観ている間埋めてくれたような気がする。だから大好き。

めっちゃ自分語りになったけどそもそも映画って自分語りだからおあいこということで...
仁