フィクションだけどフィクションじゃない、とても重みのある作品だった。
観た後で自分もアンディと同じ時間を生きたような、とてつもない疲れに襲われた。
脚本、演技、そしてモーガン・フリーマンの語り…非の打ち所がなく、完璧だった。
「世の中はクソだ、ほんとにどうしようもない」と思わせるほど刑務所が酷い所として描かれていた。
だが、長く刑務所にいると外の世界が怖くなり、刑務所に居心地の良さを覚える、というのが衝撃的だった。
作品に説得力と深みを与えていたと思う。
途中観ていて辛くなったし、少し憎しみを覚えたりもしたが、アンディが流したレコードで心が洗われ、気付いたら涙を流していた。
そして屋上でみんなでビールを飲むシーン。
地獄のような刑務所での音楽とビール。
ささやかなものだが、幸せは、希望はすぐそばにあったことに気付かされた。
最後は爽快な気分で終われて本当によかった。
知性・カリスマ・優しさ・人徳を持った主人公が刑務所に入れられる、というのが新鮮だった。
プリズンブレイクはこの作品から多大な影響を受けているな、と思いながら観ていた。