ニッカ

ショーシャンクの空にのニッカのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.6
たとえどんなに苦しい立場や逆境に有っても、自分を見失わずに真摯に生きる事の大切さを嫌味なく教えてくれる至玉の作品。
そして自分に与えられた能力を天祐として正しく使うことの意義や、たとえ犯罪者でも心の片隅にある良心や人間性に光を当てて再生を促す収容所の大いなる価値を学ばせてくれる素晴らしい名作だ。
実話を元にしたクリント・イーストウッドの「アルカトラズからの脱出」には脱獄のリアルさでは及ばないが、人間臭い希望と怨恨、慈愛の塗り込み、犯罪者をめぐる社会的メッセージの厚みでは圧倒的に本作に軍配が上がる。
回想ナレーション役のモーガン・フリーマンは、他の映画では人生のあらゆる艱難辛苦を知り尽くしている役柄が定番だが、本作ではいつもと違う不完全な役柄で、彼に起きた成長が仮釈放審査での変化に表れる。犯罪者のみならず人間の心の真理を突いた見事な演出で最も印象的なシーンだ。
時代を越えて語り継がれるべき名作として、多くの方が本作を観て、運命に負けない、人生を諦めない人の心の強さを感じて貰えることが素直に嬉しい。
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